硬水と軟水の違い
地上から蒸発して雲になる水は蒸留水で純粋な水ですが、雨や雪となって台地に降り注いで地上や地下を流れる間にミネラルが溶け込んでゆきます。
水に溶け込むミネラルの主な成分はカルシウムとマグネシウムで、それらのミネラルが水に溶け込む量の多い少ないで硬水と軟水に分類されます。
つまり硬水と軟水の違いは水の成分の違いではなく、含まれているミネラルの量の違いです。
水源からの距離が長く、勾配が緩やかでゆっくりと水が流れるほど、たくさんのミネラルが溶け込んでゆきます。
ヨーロッパは石灰岩が多いです。
山から海まで傾斜の緩やかな地形が広がっているので、台地に降り注いだ水はゆっくりとミネラルが豊富な石灰層を通って硬水となります。
日本は海までの距離が近く、傾斜もあるので沖縄県など一部の地域を除いて軟水であるわけです。
このように、硬水はミネラルが多くてほんのり苦味があり、喉越しが重たく感じられます。
それに比べて、ミネラルが少ない日本の軟水は口当たりがやわらかく、さっぱりしていると感じられます。
日本人は軟水に馴染んでいるので硬水を飲みづらく感じる方もいるでしょう。
硬水と軟水の分類は下の図のようになっています。
![](https://joylife-net.info/uraku/wp-content/uploads/2021/06/軟水と硬水の分類.png)
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硬水・軟水の硬度とは
水1リットル中に溶けているカルシウムとマグネシウムを数値化したものです。硬度の計算式はアメリカ式とドイツ式がありますが、日本では下記のアメリカ式が一般的です。
硬度=(カルシウム量mg/l×2.5)+(マグネシウム量mg/l×4)
日本の水道水の平均的な硬度は50~60mg/lです。
硬水・軟水のメリットとデメリットは次のように言われています。
硬水のメリットとデメリット
【メリット】
・肉のアクを出すので煮込み料理に適している。
・お茶やコーヒーで苦味が効いた風味を出せる。
・マグネシウムは腸を活発化するので便秘解消に効果がある。
・カルシウムやマグネシウムは血液をさらさらにする効果があると言われており、動脈硬化の予防や、心筋梗塞や脳梗塞のリスク減少の期待ができる?(この点については後述)
【デメリット】
・マグネシウムは、独特の苦みや風味、香りがあり、和食や、出汁の風味を楽しみ、素材の味を活かす料理には向かない。
・特に、内臓が未発達な赤ちゃんには負担がかかって下痢やお腹を壊す恐れがある。
・約200mg/Lを超える硬度は、スケールの付着を引き起こすことがある。スケールは水中のミネラル分(主にカルシウムやマグネシウムが付着したもの)で、電気ポットの内部、やかんの口、加湿器の口などに白いものが付着します。
・石鹸の成分が凝固して髪や身体の調子が悪くなることがある。
軟水のメリットとデメリット
【メリット】
・食材の風味を邪魔せず、引き出せる。アミノ酸が溶け出しやすく旨味が出る。
・お茶やコーヒーで苦味を抑え、酸味が引き立ってマイルドな味わいになる。
【デメリット】
・ミネラルが少ないので補給の面で不利?(この点については後述)
硬水・軟水のミネラルは身体に良いのか?
硬水のデメリットに内臓に負担がかかるので赤ちゃんには避けた方が良いとありましたが、こんなこともあります。
それは飛行機の操縦士の事情で、高空は気圧が低くて水分が蒸発して失われるので、操縦士は水をガブガブ飲んでいるんです。
で、彼らが何を飲んでいるかというと
『軟水のミネラルウオーター』
だといいます。
先に書いた通り、ミネラルウオーターは含まれているカルシウムとマグネシウムの量によって少ないものを軟水、多いものを硬水と分けられています。
それで、ミネラルが多い硬水をガブ飲みすると咳(せき)が出るので、操縦士は皆んな軟水を飲んでいるのです。
咳がゴホゴホっと出るということは体が硬水を拒絶しているということです。
なんだか硬水が怪しくなってきました。
「いや、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは身体に必要だからミネラルウオーターは身体に良いんだ。」
という見解があり、ミネラルウオーターには健康的なイメージがあります。
それは本当でしょうか?
ハーバード大学医学校卒でアリゾナ大学健康科学センターの教授を勤め、代替医療の分野の開拓者であるアンドルー・ワイル博士は述べています
人間の身体が水からミネラルを吸収できるものなのかどうかは不明です。
私たちはミネラルを食物から摂取するのであって、水からではありません。
ある製造業者の推定によれば、カルシウムについてのRDAの基準を満たすためには、ボストンでは8オンス(訳注:約224ミリリットル)のコップで676杯分の水道水を飲む必要があるのです。
ワイル博士の言葉はミネラルウオーターへの疑問を投げかけるものですが、更に進みます。
健康食品や健康カウンセリングの分野でパイオニアとして幅広く活躍した、ブラッグ博士と娘さんが書いた
『水?その驚くべき真実』
(Water ? The Shocking Truth That Can Save Your Life!‥未邦訳)
からの抜粋を見てみましょう。
硬水の危険な効果
私は米国ヴァージニア州の農場で生まれました。
私たちは毎日、井戸の水を飲んでいました。
ところがこの水には石灰岩から溶け出した炭酸カルシウムなどの無機ミネラルが大量に含まれており、強度の硬水だったのです。
祖父は当時60代半ばで、身長180センチで体重90キロ、筋肉質の立派な体格をしていました。
クリスチャンであり、誰からも愛される乗馬の得意な働き者の農夫でした。
祖父がはじめて脳卒中に見舞われたとき、私たちは食卓についていました。
突然食器が割れる大きな音がして、祖父がテーブルの上に突っ伏していました。
かけつけた医師の診断は
「脳障害による左半身不随」。
以来、付添人が必要となり、人の助けを借りないと歩くこともできなくなりました。
排泄を自分でコントロールすることもできず、食べ物を噛むこともできなくなりました。
愛すべき人物だった祖父が、一転して、家族にとって大きな重荷となってしまったのです。
3年後、再び脳卒中に襲われ、祖父は亡くなりました。
検死を行った医師は、血管がまるで石のようだったと報告しました。
当時少年だった私は、医師に
「血管が石に変わってしまうなんてことがどうして起こるの?」
とたずねたのですが、医師はろくな返答をしてくれませんでした。
このとき、祖父の血管が石のように硬くなってしまった理由を解明することを固く決意したのです。
陸軍学校に進学した私は、硬水を飲み続け、また宿舎ではデンプン質に偏った栄養学的にアンバランスな食事が配給されました。
ちょうど4年後、16歳のときに、とうとう私は結核の犠牲者となり、療養所に送られましたが病状は回復せず、痩せ衰えて骨と皮だけになってしまいました。
4人の医師が診察に来たとき、私は正直に
「あなた方はこの病気から私を助けることができますか?」
とたずねました。
すると医師は、
「いいや、とても助けられるとは言えないな」
と答えたのでした。
医師たちが病室を去った後、スイス人の交換看護婦のマリアはとっても怒っていました。
「アメリカの医者は結核のことを全然知らないわ。私はこれから結核を治療できる医者のところに戻るのよ。」
それを聞いて私は叫びました、
「僕をそのお医者さんのところに連れて行ってくれませんか! 生き延びることができたなら、僕はすべての病気の人々を助けるために働きたいのです」。
ロリエ博士は薬をまったく使いませんでした。
博士が患者に与えたのは、蒸留水(このときは実際には雨水でした)、十分な栄養、日光、新鮮な空気、深呼吸、マッサージ、そして運動だけでした。
2年後、私は完全に健康を取り戻すことができました。
ロリエ博士は次の1点を強く主張していました。
「患者には、一滴たりとも硬水を飲ませてはいけない」
スイスは水の豊富な国ですが、ロリエ博士は母なる自然が生み出した蒸留水である雨水と雪解け水だけを患者に飲ませていました。
ロリエ博士は、彼の治療法の理由をいつでも患者に説明してくれました。
「事実上、スイスの水はすべて無機ミネラルがたくさん含まれた硬水なのです。
硬水は身体にとって負担であり、身体に害を与えます。なぜなら、身体は生きた食べ物や飲み物に含まれている有機物しか同化できないからです。
ロリエ博士の指導によって、ブラッグ少年の目が開かれました。
ブラッグ博士の祖父の脳卒中は、硬水の中に含まれていた無機ミネラルが、脳の血管の内側に沈着し、血管を詰まらせたために起きたのです。
パトリシア・ブラック博士ブラッグ親娘は、硬水の中に含まれている無機ミネラルによって脳卒中だけでなく
動脈硬化、関節炎、肝硬変、腎臓結石、胆嚢結石、記憶喪失、老衰など
さまざまな病気や症状が引き起こされるといいます。
ミネラルウオーターや水道水で私たちの体には沈殿物が溜まっているはずですが、
蒸留水を飲むことでそれらを溶かしだしてくれるのです。
これは大きな希望です。
硬水・軟水ではなく蒸留水
これらの情報によって私は蒸留水を飲むようになりました。
蒸留水器を購入して10年以上(2021年6月現在)愛用しています。
蒸留水器は水道水を沸騰させてファンで冷却して温水に戻すだけですから、浄水器のようにカートリッジの交感がありません。
仕組みがシンプルで故障しにくいですし、蒸留水器に水道水を入れる手間はかかりますが、コストも電気代だけで安くすむので浄水器よりも良い選択だと納得しています。
あなたも健康長寿には蒸留水が良いと思われましたらこちらでどうぞ。
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